駅の自動改札機を通るとき、切符やICカードなどはどちらの手に持ってますか?
大半の方は右手と答えるはずです。ちなみに僕も右手に持ったICチップをかざして改札機を通過しています。
当たり前すぎて気がつかないかもしれませんが、自動改札機って右側にしかないことにお気づきですか?
そう言われると確かに左側にはないわね
右利きの人にとっては全く問題ないことですが、左利きの人には不便を強いているのかもしれません。
左右どちらでも通過できる自動改札機があれば便利だと思うのですが、なぜどの鉄道会社でも右側にしか設置しないのか調べてみました。
1.自動改札機が右側用しかない理由
2.左側用や両側用が存在しないのはなぜか
3.右利きでも不便な場合がある
人口の90%が右利きだから
自動改札機が右側にしかない最大の理由は「人口の約90%は右利きだから」です。
右利きの人が自動改札を通過するとき、よほどのことがない限り右手に切符やICカードを持っているはず。
左利きの人でもICなら左手に持ってクロスするような形でも通れますが、切符を入れるとなるとやはり右手を使いますよね。
切符をわざわざ左手で入れる人はまず見かけないですね
今後はQRコードや顔認証が搭載された自動改札機のシェアが拡大してくると予測されますが、そういったハイテクな改札機でもやはり右側にしか読み取り部はついていません。
左側用をわざわざ開発するくらいなら、ウォークスルー型の改札機を作って、利き腕に関係なく通れるようにした方がはるかに効率いいですしね。
左利き用の改札機を作らない理由
自動改札機のメーカーはオムロン、日本信号、東芝が有名です。
鉄道会社はほぼこの3社の製品を使用していますが、JR東日本はJR東日本エレクトロニクスという自社製のものを導入していますが、この4社とも製造する自動改札機はすべて右側専用となっています。
メーカーが右側専用しか作らない主な理由は下記のとおり。
・開発コストが莫大
・費用対効果が見込めない
開発コストが莫大にかかる
自動改札機本体の価格は1台あたり約700万円で、多機能なものになると1,000万円~1,500万円にもなるそう。
最近では技術の進歩とともにさらにコストの上昇が続いています。
このような背景もあり、需要の少ない左利き用はとても考えられないというのが現状です。
費用対効果が見込めない
もし仮に左利き用の自動改札機をメーカーが製造したとしても、利用される率が低いとわかっているものに高額な予算を出して購入する鉄道会社はないと思われます。
メーカーもそれを理解しているから製造することはないでしょう
顔認証になってもやはり右側
大阪メトロでは2024年度末までに全駅でウォークスルー型の顔認証自動改札機を導入予定だが、やはり顔認証でも右側で設計されています。
ソース:https://news.panasonic.com/jp/press/jn230307-1
右利きでも不便に感じるときがある
右利きの人は改札を通過するのに支障がないとはいえ、左側にあればいいなと思うときはあります。
・左手にSuica対応ウォッチをつけている
・利き手で持つことが多いキャリーバッグを引いている
・ベビーカーを押しているとき
Suica対応スマートウォッチを左手につけている
右利きの人が腕時計を着ける場合、だいたい左腕に装着しますよね?
利き腕に時計をつける人は少なそう・・
最近のスマートウォッチは、モバイルSuicaなどのIC乗車券を内蔵できるものがあります。
内臓型は切符・ICカード・スマホを取り出さずに改札を通れるのがメリットですが、左手につけていると腕をクロスする形で通過せざるをえないため、右利きでもかなり不便に感じる点です。
逆に左利きなら時計は右手に装着することが多くなり、スマートウォッチで改札を通過する場合に限り、利便性が逆転しそうです。
\Suica対応スマートウォッチの一例/
キャリーバッグを引いている
キャリーバッグを持ち運ぶとき、利き腕で引いて移動することが多くないですか。
もちろん利き腕とは反対側で引くという意見もあるでしょうが、利き腕で引いた方が安定感があります。
個人的には圧倒的に利き腕で引く時間が多いです。
利き腕で引いていると、改札を通る前にキャリーを左手に持ち替えることになるのが少し面倒です。
ベビーカーを押している
ベビーカーを押していると両手がふさがっていますよね。(片手で押すのは危険なので絶対やめて)
そのため改札手前でいったん止めて、切符やICカードなどを取り出す必要があります。
これは右利き・左利き関係なく不便に感じる点でもありますが・・。
まとめ
ここまで駅の自動改札は右側にしかない理由と左側用を製造しない理由について述べました。
しかし顔認証改札の機能はどんどん進化しており、うめきた地下(JR大阪駅)に設置された改札機のように、通過するだけでOKの改札も登場しています。
これが全国どこでも導入されて実稼働できるようになれば、上記にあげた問題点はすべて解決できるでしょう。
キャリーバッグを引いたまま、ベビーカーを押したまま、改札を通過できる未来もそう遠くはないのかもしれませんね。